掛け軸への心配り
掛軸は、中国より伝わって以来多くの表具師によって研究伝承され、日本の生活様式によく調和し、書画の鑑賞にも保存にも適した日本独特の美術工芸品といえます。
掛軸は、気温・湿度に敏感ですので、取り扱いにそれだけ配慮が必要です。
表具の出来たては、糊が充分慣れていないため狂いがきたりシミが出やすいので、最初の一ヶ月間は、晴れの日を選んで三日に一日の割合で掛け、二日は休ませることを繰り返してください。その後掛ける時は、三日以上は続けて掛けないように、特に一週間以上の掛け放しは極力避けてください。
空調の強い乾きすぎたり湿度の高い室内、雨や風の強い日、日光のあたる場所ではソリやシミの原因となりますので避けてください。
掛物の内容は来客により、又四季の風情に合せて画題を選ぶことが大切です。
………………………………………………………………………………………………………………………………