掛け軸の取扱い2
掛け軸とは
掛け軸とは、書や日本画を裂(きれ)や紙で表装して、床の間などに掛けて鑑賞するものです。
掛け物とも呼ばれます。
日本の室内装飾では重要な役割を果たしています。
掛け軸の取扱い
掛け軸は数か月に1度掛け替えるもので、掛けっぱなし・しまいっ放しは掛け軸にとって良くありません。
◎何故良くないの?
掛けっぱなし⇒掛け軸というものは巻くことができるようにしなやかにできている。しかし、長時間掛けっぱなしにすると、伸ばした状態のまましなやかさがなくなり、固まってしまう。(掛け軸が硬化するという)この掛けっぱなしにした掛け軸をいざ片づけるときに思わずきつく巻いてしまうと横に折れ線が入ってしまう。古くからの掛け軸で、折れ線がたくさん入り、本紙が割れてしまっている掛け軸は、この掛けっぱなしが原因であることが多い。
しまいっぱなし⇒しまいっぱなしにされると、湿気が原因で掛け軸のシミや虫食いの原因となる。よく古い掛け軸で見かける茶色の斑点状のシミは水の中に含まれる鉄分が湿気により酸化することから発生し、虫食いの原因となる害虫(死番虫(しばんむし)というらしい)も湿気を好む。古い掛け軸で、シミや虫食いが出ている掛け軸はこのしまいっぱなしであることが多い。
①手持ちの掛け軸はしまいっ放しにせず、一年に一度は出していただく。
②掛けっぱなしにせず、2~3か月に一度は掛け替えをしていただく。
③掛け替えを行うときは、天気の良い乾燥した日を選んでいただく。
以上、ご注意いただきたいポイントです。