この世の中のあらゆる事柄、事象には諸々の法が宿っていると
いうことを諸法実相といいます。
春になれば花開く桜も、その花期は短く、開花から満開をむかえ
るとすぐに散ってしまい、花は葉にということになります。
桜に限らずこの世の中の存在はすべて時間とともに移ろいゆく儚い
ものであります。
このことから読み取れるのは諸行無常という法です。
精魂込めて、耕し、肥料を施し、雑草を取り除き、害虫から守り、
丁寧に育てられた野菜は、栄養価に富んだおいしい野菜に育ちます。
これは子育てにも同じことがいえるのではないでしょうか。
つまり善因があってはじめて善果が得られるということなのです。
善因善果の法です。
悪いことをすると罰せられるし、努力を怠ると大成することはで
きません。
悪因悪果の法です。
これをまとめて因果応報といいます。
この世の実相には、必ず因縁果という因果の法が働いています。
四季の移ろい、小鳥のさえずり、川の流れ、大海原…などこれら
自然のはからいすべてに仏のいのちが宿っています。
これを山川草木悉有仏性あるいは、山川草木悉皆成仏といいます。
この世の中の諸々のことがらをよくよく観察すると、そこには
諸々の法が宿っていることがわかります。
これを諸法実相といいます。
そして実相に具わる法を見抜く眼力のことを妙智力といいます。
香遊 周戸克己