南無とは、帰依する おまかせするという意味です。
妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)とは、いわゆる法華経(ほっけきょう)のことです。
つまり、経典である「妙法蓮華経」に帰依する、おまかせするということです。
これは、画期的なことで日蓮上人は、「法華経」という経典には帰依する、おまかせするだけの力があるとの信心
から「妙法蓮華経」に「南無」をつけて「南無妙法蓮華経」というお題目をつくられました。
南無妙法蓮華経とは、お釈迦さまがお説きになった「法華経」というお経に帰依する、おまかせするという意味に
なります。
妙法蓮華経の妙法とは、真理のことです。蓮華は蓮の花のことです。
妙法蓮華経とは、つまり蓮の花のような真理を説いたお経なのです。
蓮の花のような真理とは、蓮は泥の中から清い花を咲かせますが、濁りに満ちたこの娑婆にあって、清らかな蓮
の花ような存在になっていくということに他なりません。
そのような真理が法華経には説かれているんですね。
それにしても、法華経には不思議なことが書かれているので、読む人を困惑させます。
なかでも、法華経のなかで「法華経というすばらしい経典がある」とくりかえし説かれているのが奇妙です。
しかも、すばらしい経典だという法華経の中身は最後まで明かされることなく終わってしまいます。
つまるところ、法華経を讃えた経典が法華経なのであり、奇妙な自己撞着(じこどうちゃく)に陥っているかのように
見えます。
このため、法華経は効能書きだけで中身のない薬袋のようだともいわれてきました。
では、法華経が「すばらしい経典がある」という法華経とは、いったい、何なのでしょうか。
それは、どこにあるのでしょうか。
ほんとうの法華経は、文字に記された経典の向こうにあります。
それは宇宙に遍在する輝きのようなものなのでしょう。
逆にいえば森羅万象を生み出す根源的な働き、過去・現在・未来をつつむ大きな生命力とか真理といわれるもの
が「サッダルマ・プンダリーカ・スートラ(白蓮のように最勝の正しい教えの経)」すなわち「妙法蓮華経」という名で
呼ばれているのです。
※参考文献 「現代語訳 法華経」大角 修 訳
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